こんにちは!星宮りょうです。いつもコラムを開いてくださり、ありがとうございます。
タロットカードと聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。実は様々なアニメや漫画、ゲームなどのエンターテインメント作品の中で、キャラクターのモチーフや世界観の骨組みとして深く組み込まれていることも多いのです。物語のキャラクターの配置やシナリオの構成において、タロットの持つ元型(アーキタイプ)は非常に強力なインスピレーションの源泉になります。
中でも、日本中にタロットの魅力を知らしめた金字塔といえば……そう、『ジョジョの奇妙な冒険』第3部「スターダストクルセイダース」ですよね!
「愚者」の足元で飛び跳ねる白い犬の正体
ジョジョ第3部では、「スタンド」と呼ばれる特殊能力に大アルカナのタロットカードが割り当てられています。まずは、物語の後半でエジプトに助っ人としてやってくる誇り高き犬、「イギー」についてお話しします。
ボストンテリアのイギーが操るスタンドは、砂を自在に操る「ザ・フール(愚者)」。これはタロットカードの絵柄ととても深い繋がりがある設定です。ウェイト=スミス版の「愚者」のカードをじっくり見てみてください——崖っぷちを軽やかに歩く若者の足元で、無邪気に飛び跳ねている「小さな白い犬」が描かれていますよね。
この犬は、人間の論理的な思考を超えた「純粋な本能」や「直感」、そして「危険を知らせる警告」のシンボルです。誰にも飼いならされず、人間の理屈や社会の常識に全くなびかないイギーの生き様は、まさに「自由」と「型破り」を象徴する愚者のカードそのものです。
直感(犬)のままにマイペースに生き、それでいて最後は仲間を救うために自らの意志で誇り高い行動を選択した彼の姿は、タロットの深い意味を最高にカッコよく体現していると言えます。
「愚者の旅」の終着点に君臨する絶対的なラスボス
タロットの世界には、「愚者の旅(フールズ・ジャーニー)」という有名な解釈があります。0番の「愚者」という何者でもないまっさらな存在が、様々な試練や出会いを経て、最後の21番「世界」へと辿り着くまでの魂の成長プロセスを大アルカナ22枚で読み解くというものです。
ジョジョ第3部のストーリーは、日本を出発してエジプトへと向かう壮大なロードムービーです。一行は道中、次々と現れるタロットの暗示を持つ刺客たち(試練)を乗り越えて進んでいきます。そして、その長く過酷な旅の最終到達点、エジプトの館の奥深くで待ち構えている絶対的なラスボスがDIOなのです。
彼のスタンド「ザ・ワールド」は大アルカナの最後を飾る21番。「世界」のカードは、ひとつのサイクルの「完全なる完成」「絶対的な終着点」を意味します。何世代にもわたるジョースター家の因縁の旅の「最終到達点」として立ちはだかる巨大な壁——これほど完璧なタロットの引用はないと、占い師の視点から見ても鳥肌が立つほど秀逸な設定です。
カードが教える「運命の役割」
DIOやイギーだけでなく、他のキャラクターたちにもタロットの解釈が巧みに組み込まれています。



シナリオとキャラクターを輝かせるアイデアの宝庫
こうして振り返ってみると、タロットカードは単なる占いの道具を超えて、無限のインスピレーションを与えてくれる「最高のアイデアの宝庫」であることがよく分かります。
魅力的な物語のプロットを練ったり、新しいキャラクターを生み出したりするとき、タロットのアーキタイプを当てはめてみるだけで、その人物の性格・物語における役割・強みや弱点・背負う運命の暗示など、たった1枚のカードからどこまでも深い設定のバックボーンを引き出すことができます。
もし今、あなたが何か新しい物語の構想を練っていたり、クリエイティブなアイデアを探していたりするなら——「このキャラクターにはどのカードの属性が似合うだろう?」「この展開はどのカードのメッセージに近いだろう?」という視点で、タロットを1枚引いてみてください。
きっと、そこから予想もしていなかったような面白いシナリオの種や、キャラクターの生き生きとした表情が見えてくるはずですよ。タロットの世界は、いつでもあなたの中に眠る創造力を刺激する魔法の入り口です。