こんにちは!星宮りょうです。
いつもコラムを開いてくださり、本当にありがとうございます。
街のカフェで温かいお茶を飲みながらくつろいでいると、隣の席から切実な恋の悩みが聞こえてくることがあります。「LINEの返事は来るんだけど、なんだかそっけない気がする」「昨日は優しかったのに、今日は冷たい」「本当は私のこと、どう思っているんだろう?」。
恋をしている時、私たちは誰しもが「読心術」を使いたいと強烈に願うものです。好きな人の些細な一言や視線の動きに一喜一憂し、夜のベッドの中で「あの一言はどういう意味だったのか」と、終わりのない思考の迷路に迷い込んでしまう。恋愛とは、本当に甘く、そして残酷な魔法ですね。
私がタロットカードを展開する中でも、圧倒的に多いのがこの「相手の気持ちを知りたい」というご相談です。
タロットカードは、口に出しては言えない心の奥底の感情や、本人すら自覚していない無意識の領域を、まるでレントゲン写真のように鮮明に映し出します。今回は、恋愛において「相手の気持ち」を占った時によく出る代表的なカードの解説とともに、恋愛の渦中で私たちが陥りがちな「ある罠」について、深く読み解いていきましょう。
1.カードが語る「好意」のカタチ ── 皇帝と愚者 相手の気持ちにポジティブなカードが出た時、タロットは「相手がどのようなスタンスであなたを好ましく思っているか」を具体的に教えてくれます。
例えば、大アルカナの4番『皇帝(THE EMPEROR)』が出た場合。
相手はあなたに対して、極めて真面目で誠実な感情を抱いています。「この人を守りたい」「きちんとした形(お付き合いや結婚)で責任を取りたい」という、堅実で男気(あるいは庇護欲)に満ちた愛情です。ただし、真面目すぎるあまりにプライドが高く、自分から甘い言葉を囁いたり、ロマンチックな演出をしたりするのは苦手かもしれません。愛情表現が不器用なだけで、心の中にはあなたという存在がドッシリと玉座に座っている状態です。
対照的なのが、0番の『愚者(THE FOOL)』が出た場合です。
相手はあなたと一緒にいると、子供のように心が軽く、底抜けに楽しいと感じています。理屈や打算は一切なく、「純粋にフィーリングが合う最高に楽しい相手」だと思っています。しかし、愚者は「自由」を愛する旅人です。現時点では「深刻な責任(結婚や重い約束)を負うのはちょっと重たいかも」「今はただ、楽しい今この瞬間をシェアしたい」という、風のように自由で縛られない好意を示しています。
同じ「好き」でも、その形は全く異なります。相手の好意の形を知ることで、「なぜ彼(彼女)はこういう態度をとるのか」という疑問のパズルが、スルスルと解けていくのです。
2.迷いと距離のサイン ── 隠者と月 一方で、相手の気持ちがモヤモヤしている時、タロットは極めて繊細な心理描写を見せてくれます。
9番『隠者(THE HERMIT)』が出た時、相手は決してあなたのことが嫌いになったわけではありません。しかし、「今は恋愛よりも、自分一人の時間が欲しい」「仕事や自分の内面と向き合うために、少し距離を置きたい」と静かに願っています。
この時期の相手に「私のこと好き?」「どうして会ってくれないの?」と矢継ぎ早に連絡をしてしまうと、相手は洞窟のさらに奥深くへと逃げ込んでしまいます。今はそっと見守り、相手がランタンの火を持って自ら洞窟から出てくるのを待つ「大人の思慮深さ」が求められる時です。
また、18番『月(THE MOON)』が出た場合、相手の心の中には「漠然とした不安」が渦巻いています。
あなたに惹かれている気持ちはあるものの、「本当にこの人でいいのだろうか」「過去の恋愛でのトラウマが繰り返されるのではないか」と、見えない恐怖に足がすくんでいる状態です。あるいは、相手自身に何か隠し事(言えない事情や自信のなさ)があり、素直に心を開くことを恐れているのかもしれません。月の光の下では、すべてが曖昧になります。この時期は白黒ハッキリつけようと焦らず、相手の不安が夜明けとともに静かに晴れるのを待つ時間が必要です。
3.タロットが映し出す「鏡の魔法」
さて、ここからがタロットの最も深く、そして恐ろしいところです。
「あの人は私のこと、どう思ってる?」という質問でカードを展開していると、時折ハッとさせられることがあります。なぜなら、相手の気持ちのポジションに出たはずのカードが、どう見ても「質問者(あなた自身)の心の中」を鮮明に投影していることが多々あるからです。
例えば、相手の気持ちとして15番『悪魔(THE DEVIL)』の逆位置や、小アルカナの『ソードの8(剣の8)』が出たとしましょう。
これらを「相手は関係に縛られて息苦しく感じている」と読むこともできます。しかし、多くの場合、タロットはこう告げているのです。
「相手の気持ちばかり気にして、不安で不安でたまらなくなっている。今の関係に縛られて、身動きが取れなくなっているのは、相手ではなく『あなた自身』なのではないですか?」と。
タロットは、時に残酷なまでに正直な鏡です。私たちが「相手のせい」や「相手の気持ちが分からないから」と言い訳にして見ないようにしている自分自身の弱さや執着を、真っ向から突きつけてきます。
4.他人軸からの脱却 ── 恋の主導権を取り戻す
恋をしていると、私たちはいつの間にか人生のハンドル(主導権)を、すべて相手に預けてしまいがちです。
「相手が笑ってくれたら、私は幸せ」
「相手が冷たいから、私は不幸」
「相手が私を好きでいてくれるなら、私も好きでいる」
これを心理学の言葉で「他人軸」と呼びます。他人軸で恋愛をしている限り、あなたの心は常に相手の言動という波に揺られる小舟のように、永遠に安定することはありません。「あの人の気持ちは?」と占いジプシーになってしまう根本的な原因は、この「他人軸」にあります。
夜も眠れないほど「相手はどう思っているのか」と悩み苦しんでいる時。タロットは優しく、しかし毅然とした態度であなたに究極の質問を投げかけます。
「相手がどう思っているかは、一旦脇に置いておきましょう。……で、あなたはあの人のことを、本当はどうしたいのですか?」
「相手が自分のことを好きじゃなかったら、あなたは愛するのをやめるのですか?」
「あなたは心からその人を愛しているのですか? それとも、ただ『愛されないこと』や『一人になること』が怖くて、執着しているだけではないですか?」
相手の気持ちを100%コントロールすることは、神様にも不可能です。人間の心は移ろいゆくものであり、昨日まで好きだったものが今日嫌いになることもあります。
しかし、「自分が相手をどう愛するか」「自分がどんな恋愛をして、どう生きたいか」を決めることは、この世界であなたにしかできない、絶対的な特権なのです。
5.最終的な答えは、常に「自分の中」にある 恋愛における最高の魔法、それは「自分軸」を取り戻すことです。
「相手がどう思っているか分からないけれど、私はあの人が好きだから、見返りを求めずに愛情を注ぐ。それでダメなら、ご縁がなかったと笑って次に進む!」
これほどまでに強く、美しく、そして魅力的な姿勢はありません。不思議なもので、相手の気持ちを詮索するのをやめ、自分自身の感情に責任を持って堂々と生き始めた途端、相手の方から猛烈に追いかけてくるようになるというのは、恋愛における普遍的な真理です。
タロットカードは、未来を決定づける預言書ではありません。あなたが「自分自身の本当の気持ち」に気づき、自分の足で人生を歩き出すための、美しい道標に過ぎないのです。
「あの人は私のこと、どう思ってる?」
もし今夜、あなたがその疑問に押しつぶされそうになったなら。静かに目を閉じて、意識のベクトルを相手から「自分自身の胸の内」へと向けてみてください。
「私は、どうしたい?」
その問いに対するあなたの素直な答えこそが、どんなタロットカードよりも正確で、そしてあなたを必ず幸せに導いてくれる、最高の一枚(切り札)になるはずですよ。
あなたが、あなた自身の人生の輝かしい主役として、堂々と愛の道を歩んでいけますように。
いつでもここから、あなたの本当の気持ちを、全力で応援していますね。
星宮りょう