こんにちは!星宮りょうです。いつもコラムを読んでくださり、ありがとうございます。
人生の悩みや迷いについてお話しすることが多いこのコラムですが、今日は少し視点を変えてみましょう。新しい企画のアイデアを出さなければならないとき、あるいは物語のシナリオや小説を書き進めているとき——どうしても行き詰まってしまうことがありますよね。
論理の限界を飛び越える「偶然の魔法」
一生懸命に頭を使って論理的に考えていると、どうしても「今までどこかで見たことがあるような、無難な答え」に行き着いてしまいがちです。特に、誰も予想できないようなワクワクするストーリーを作りたいときほど、真面目な論理的思考はちょっと邪魔になってしまうことがあります。
そんな思考の迷路から抜け出すために、タロットの持つ「偶然性」と「象徴的な絵柄」が素晴らしいインスピレーションを与えてくれるのです。
評論家・漫画原作者の大塚英志氏は著書の中で、物語の構造を分解し、タロットカードのような役割を持ったカードを並べることで、新しい物語の展開やキャラクターの行動を構築していく創作トレーニングを紹介しています。昔から伝わる神話・物語の構造とタロットカードは深く結びついており、カードを引くことで「物語の王道パターン」や「意外な化学反応」を意図的に生み出せるというわけです。
— 大塚英志「キャラクター小説の作り方」ほかカードが教えてくれる「意外な一手」
やり方はとても簡単です。アイデアに詰まったら、何も考えずにタロットを1枚引くだけ。カードの絵柄が、普段とはまったく違う角度からあなたの脳に刺激を与えてくれます。
0 — 愚者
「論理的な解決策ではなく、周囲があっけにとられるような、常識外れでとんちんかんな行動をとらせてみよう!」
IV — 皇帝
「ここで急に、ものすごく頑固でルールに厳しいキャラクターを登場させて、場を思い切りかき回してみよう」
XII — 吊るされた男
「主人公をわざと身動きできない状況に追い込んで、別の視点から世界を見せてみたらどうだろう?」
XVI — 塔
「ここで一気に今まで積み上げてきた設定を壊してしまおう。大崩壊の後に本当の物語が始まる!」
「どうしてここでこのカードが出るの?」というちょっとした違和感こそが、あなたの思考の枠をドーンと壊し、新しいひらめきを連れてきてくれるのです。
やってみよう——アイデアツールとしての使い方
行き詰まりを言葉にする
「主人公がピンチをどう切り抜けるか分からない」「次のシーンの展開が思いつかない」など、詰まっているポイントを頭の中で明確にします。
何も考えずに1枚引く
分析はしなくていいです。ただカードを引いて、絵柄を眺めます。「このカードの登場人物が主人公だったら?」という視点で見てみましょう。
「なぜこのカードが?」の違和感を活かす
予想外のカードが出たとき、その「ズレ」こそがインスピレーションの源です。「なぜここでこれが?」という疑問に乗っかってみてください。
タロットは、あなたの心のずっと奥底——無意識の世界にたっぷりと眠っている「まだ言葉になっていないアイデアの種」を、目に見える形に引き上げるための優しいフックのようなものです。
生みの苦しみで迷路に立ち尽くしてしまったときは、どうか一人で抱え込まず、カードという相棒に頼ってみてください。あなたが引いたその1枚が、物語にパッと明るい光を灯す最高のインスピレーションになるはずですよ。