こんにちは!星宮りょうです。いつも当サイトのコラムを読んでくださり、ありがとうございます。
タロット占いに興味を持ち始めると、まず最初にぶつかるのが「どのカードを買えばいいの?」という疑問ですよね。お店やネットを見ると、本当にたくさんの種類のカードが並んでいて、迷ってしまう方も多いはずです。
当サイトでは、初心者の方からプロを目指す方まで、一貫して「ウェイト=スミス版(ライダー版)」のタロットカードをおすすめしています。本サイトの占いやカード解説でも使用しているので、タロットに興味がある方にはお馴染みの絵柄ですよね。
どこかで必ず見たことがある「世界標準」
「ウェイト=スミス版」と聞いてピンとこなくても、カードの絵柄を見れば「あ、これテレビや雑誌で見たことある!」と思うはずです。1909年にイギリスで誕生して以来、100年以上にわたって世界中で愛され続けている、まさにタロット界の「世界標準」とも言える存在です。
崖っぷちを歩く陽気な若者——これがウェイト=スミス版「愚者」です。白い太陽、白い薔薇、足元の犬、遠景の山。一見シンプルに見える構図のすべてに、意図された意味が宿っています。
最近は、インディーズのクリエイターさんが手掛けたポップなデザインのカードもたくさん登場しています。可愛らしい猫が主人公のもの、スタイリッシュなアニメーション風のもの、美しい風景画のようなもの……。直感的に惹かれるお気に入りのカードを使うのは、もちろん素敵なことです。
でも、もしあなたが「タロットが持つ本当のメッセージを、深く正確に読み解きたい」と願うなら、ぜひ一度はウェイト=スミス版を手に取っていただきたいのです。
その理由は、このカードがただの「綺麗なイラスト」ではなく、作者であるアーサー・エドワード・ウェイトの「計算し尽くされた意図」が、画面の隅々にまでぎっしりと詰め込まれているからです。
背景のひとつひとつが「言葉」を持っている
ウェイト=スミス版タロットの最大の魅力。それは、メインの人物だけでなく、背景の色、空に浮かぶ雲の形、足元に咲く花の種類に至るまで、描かれているすべてのものに、明確な意味があるということです。
大アルカナの2番、「女教皇(The High Priestess)」のカードを例に挙げてみましょう。
青い衣をまとった聡明そうな女性が、静かに座っています。彼女の両サイドには、立派な2本の柱が立っていますよね。この柱をよく観察してみてください。
黒い柱には「B」、白い柱には「J」というアルファベットが書かれていることにお気づきでしょうか? 実はこれ、ただの模様や飾りではありません。古代イスラエルのエルサレム神殿に建っていたとされる、伝説の2本の柱を表しているのです。
神によって与えられる試練
神によって与えられる愛
対極の間に座るからこそ、見えてくるもの
この「黒と白」「BとJ」の柱は、この世界に存在するありとあらゆる「対(つい)となる概念」を示しています。
女教皇は、どちらか一方に偏るのではなく、この相反する2つの柱の「ちょうど真ん中」に静かに座り、バランスを保っています。だからこそ、このカードが出たとき、私たちは「白黒つけるのではなく、今は静観するときだ」「直感を研ぎ澄まし、隠された真実を見つめなさい」といった、深いメッセージを正確に受け取ることができるのです。
もし、この女教皇が「ただの綺麗な森の中」に座っていたり、ポップなデザインで「BとJの柱」が省略されてしまっていたらどうでしょうか?「知的な女性」という表面的な意味は分かっても、その奥にある「対極のバランス」「隠された神秘」といった重要なメッセージを読み逃してしまうかもしれませんよね。
正しい意味を逃さず汲み取るために
たった2本の柱に書かれた文字だけでも、これほどまでに深いストーリーと意味が隠されています。ウェイト=スミス版タロットは、まるで「宇宙の真理が描かれた、美しい絵本」のようなもの。
占い師が、カードからのメッセージを一つもこぼさずに掬い上げ、あなたの人生の道しるべとなる「正しい解釈」をお手伝いするためには、やはりこの細部まで計算し尽くされたウェイト=スミス版が一番だと、私は強く確信しています。
次にカードを眺めるときは、ぜひ「背景」や「足元の小さなシンボル」にも目を向けてみてください。今まで気づかなかった新しいメッセージが、あなたに向かって優しく語りかけてくるはずですよ。